それは南関東地方にある田舎の町にあった外来だけの個人医院。
私が准看護婦を目指していた頃、住み込みでお世話になりながら午前は外来のお手伝いをして午後は看護学校に通わせていただいた、今から40年ほど前の事です。
その医院には一人娘さんである薫ちゃんという(仮名です)とても穏やかで素直な中◯1年生のお嬢さんがいました。
ご両親はその1人娘さんに大きな期待をされていて、家業の医院を取ってもらいたいという期待で、友達と遊ぶ事は許されず、家庭教師が毎日来て、それは熱心過ぎなほどの教育ぶりでした。
御家族は院長と奥様、薫ちゃんの3人家族でしたが、お屋敷は大きくお掃除とお手伝いさんを兼ねたおばさんが1人で朝からお掃除をしても1日かかるほどで、私達住み込みの看護学生用の部屋もしっかりと整備できるほどのお屋敷でした。
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