悪夢のようなあの日がやってきたのは、秋も深まって父が出稼ぎのために家を離れてから暫く経ってからのことでした。あのころ、ボクのうちは夏になると一家総出で、海の家をやっていました。父が調理を行い、母が女将として接客し、ボクと妹は裏方を務めていました。最初のころはお客さんが来なくて大変でした。けれども、一家で真面目に仕事を続けてきました。
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