火曜日の午後8時過ぎ。駅近くのマッサージ店で柔道整復師として働いているわたしが、終業後にロッカーで白衣を脱いでいると、携帯にメッセージが届いた。誰かと思って見てみれば、こないだ知り合ったピアノの先生ではないか。"先日はご友人のサロンをご紹介いただいてありがとうございました。本日行って来たのですが、確かに派手な見た目の先生でした(笑)。けれど本当に腕は確かで痛みは全くなく、サービスとして一つ多く着けていただいたので、美咲さんには感謝ばかりです。良かったら、また今度一緒にお食事させてください"ただのお礼のメッセージなのに、やたらと厚く御礼申し上げてくれる文面に、これが育ちの良さなのか?と笑ってしまったわたしは、その子と知り合った日のことを思い出した。3日前、高校時代の友達に欠員補充をお願いされて、久しぶりにお食事会(という名の合コン)に行って来た。しかし会場に着いて30分と経たないうちに来たことを後悔したのは、それがあまりにもわたしに場違いな会だったからだ。海を臨むグランドホテルの展望レストランで開催された"お食事会"の参加者は男女8名。男性陣は外食系コンサル業、医師、不動産経営者、弁護士という布陣に対して女性陣は茶道の師範(友達)、ピアノの先生に家事手伝いのお嬢様、そしてわたしである。
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