誰でも知っている大手の電機メーカーのソフトウェア部門。自分は、そこに派遣として1年近くの間勤務していた。派遣と言っても、その部門の中で、知識は問われないが、逆に、手間をかける検査(チェック)業務などの仕事が主だった。一旦、要領を覚えれば、あとは雑務に近い作業だった。そんな退屈感を感じていた折、フロアに気になる女性(以下、Tさんという)が目に付いた。あくまで、恋人候補というのでなく、向こうは『職場の顔』というか、かなりの存在感あるリーダクラスだった。年齢も30代半ばで円熟味を漂わせていた。Tさんは、どちらかというと知性派美人だが、何しろ、健康的で朗らかで頭は切れ、スポーツも万能で、その上、気配りもできる、スーパーウーマンであった。
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